クアラルンプールカトリック日本人コミュニティ

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KL Japanese Catholic Community official site

若者たちのホームレスへの支援活動


マレーシアのカトリック新聞にあたる 週刊 "HERALD" 紙4月24日(日)号に、
クアラルンプール中心街のダウンタウン数か所で、若者たちが定期的に
ホームレスの支援活動をしている内容と、KL大司教区のジュリアン大司教さまが
そこを訪れたという内容の記事が載っていました。

Youths offer comfort to KL's homeless

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内容
人々が家路に着きくつろいでいる頃、まだ暑さの残るセントラルマーケット付近に
水曜の夜9時若者たちのグループは集まりました。4月13日はセントラルマーケットを中心とした繁華街でのホームレスへの食糧配布の初日となりました。
外国人含む180人のボランティアグループは、"NGO Feeders of KL" として28歳の
映画プロデューサー Gary Liew によって立ち上げられました。
今回はKL大司教区のジュリアンリユウ大司教が、様々な背景を持つ若者たちが始めた
この活動に立ち会われたいと参加しました。
初めて参加したボランティアがまず驚くのは、彼らが必要としている食糧の配布だけにとどまらないことです。寝床の段ボールしか持たない彼らとの気さくな握手やハグがここそこで交わされるのは普通のことでした。
さらに重要なことは、Gary と活動ボランティアが彼らと共に道に座り、話に耳を傾けていることです。それは彼らの苦労話にとどまらず、なぜホームレスになったのかそのいきさつなどの色々な話で、以前はどんなところで働いていたのか、病気やけがをきっかけに働けなくなったなどの話です。
そうした時、家族の支えなしでは社会復帰を果たすことは困難で、ホームレスになるしかなかったわけです。ここでは長期にホームレスになっている人と、仕事を求めて出入りを繰り返している人たちに分けられます。50代のAzmanは、国立モスクの近くをねぐらにしようかと考え中です。かつて彼はホテルで働いていましたが、数年前病気をしてから働けなくなったと大司教に話しました。今KLの病院で治療を続けていますが、健康ではない彼にもはや仕事はありません。また、国立モスクからさほど遠くないSt. John's Cathedral 近くで40年も暮らしている65歳のAmranは、Gary率いる若者の温かいハグのあいさつには圧倒されました。Amran はまだGaryが10代のころから知っていて、彼の母がやっているブキナナスにある "Carl's Kitchen" あたりにもよく出没していたからです。20年前は自分も何ともなかった、でももう歳なので、うまくやって行かなくてはいけないんだ。自分の荷物が置ける場所さえあればいつも持って歩くことはないんだ。そういうと急いでNGOが提供する簡易シャワー提供の列に走った。大司教が近くにいると聞いてAmran は急いで髪をとかし、通りを渡ってジュリアン大司教にハグした。大司教も"あなたに会えて本当に良かった。今日は忘れられない日です。"
5年前にたった数人でこの活動を始めたGaryは、今ではクラン川沿いの繁華街では顔なじみの存在だ。この若者たちは彼らのミッションがもはや食糧配布だけにとどまらず、心の支えや精神的なサポートが求められていると自覚している。"ホームレスはそれぞれ違った背景を持ち、ニーズもそれぞれに違う。例えば前述のAmran はただ荷物を置く場所を必要としているんです。そして彼らはお互いに影響し合い、道端で生活することから脱してまともな職につこうと努力することになるのです。何人かは日雇いで働いています。でもアパートを借りるだけの収入にはなりません。だから私たちがここにきて彼らと話し合い、どうしたら彼らの生活が良くなっていくのか一緒に考えるんです"
ボランティアメンバーの1人Joanna は彼らが社会復帰していく姿を見るのはうれしいと言う。食糧配布が彼女にとって、単に善行を行うと言う行為にとどまらず、人々を社会復帰へと変え、そして何ができて何ができないかという新たな価値観を彼女自身にもたらすこの活動は、決して一人でできるものではないと、彼女は21歳の大学生として感じている。
この団体は毎月第1と第3水曜日の夜9時にセントラルマーケット付近で食糧配布をしている。ここは5つの主なルートと国立モスク・ムルデカ広場をカバーしている。他の4つのグループはバンコク銀行・マスジッドインディア・マスジッドジャメ(最長ルート)・セントラルマーケット・メイバンクビル・Segi大学エリア(ホームレス過密地帯)・チャイナタウンと地下街だ。
3時間にも及ぶ彼らのホームレスのお世話をする同行取材を終えて、大司教が刺激を受けたのは、若者たちの彼らへの対応と情熱、そして会話と友情を通して彼らとのかかわりについてだ。私たちが考えなくてはいけないのは、彼らがどうしてホームレスになったのか。私たちの出来うることは何か、どうしたら手伝えるのか。どうしたらここから出て家族とよりを戻し、仕事を見つけて家賃を払い、尊厳を取り戻せるのか、彼らの本当の飢えや渇きを満たせるのか。今夜私が出会ったこの驚くべき素晴らしい人たちは賞賛と尊敬に値します。それは彼らが希望を持っているからです。お世話をする、分け合う、そこには無欲の善意と希望があります。神さまが私たちを愛したように私たちも互いに愛し合いましょう。とジュリアン大司教は結んだ。

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