クアラルンプールカトリック日本人コミュニティ

クアラルンプールカトリック日本人コミュニティ

KL Japanese Catholic Community official site

フィリピン・マニラ カトリック日本人事務所を表敬訪問

 
アジア在住の日本人カトリック同士の横のつながりが生まれ、メールやSNSを使って
連絡を取り合い、祈り合い、励まし合い分かち合い、共感し合うといった、素晴らしい恵みが与えられ、それが続いています。
 
この度、同じアジア・フィリピンの首都マニラにある、PEPオフィスを訪問する機会が与えられました。
 
イメージ 1
 
 
PEPオフィスとは、Pre-Evangelization Program for Japanese Nationals の略で、
レデンプトール会の西本至神父様がかつて常駐され、日本人の未信者のための福音宣教を目的としたオフィスです。
これは日本人信徒のためではなく、あくまでキリストをまだ知らない一般の方向けで、回心への前段階、開魂(かいこん)と神父様は表現されていたそうです。
 
神さまのみ言葉が土に落ちた時に受け入れることができるように心の耕し、色々なつながりからその方が神さまと出会うことができるようにといった、前段階での福音宣教とのことです。
 
イメージ 2
 
 
 
もちろん、現地の日本人カトリックに対しての司牧や霊的助けも必要です。
結婚講座も求められます。ですが、優先順位としてはまず一般の方へです。
 
私たち信徒は、いつまでも「神父様は司牧者で、私はずっと羊」といった依存的な態度ではなく、特に人手の足りない外国においては、私たち信徒はイエスの弟子なのだから救われた者として、それぞれ神さまから与えられた賜物に気づき、それぞれの形で信徒使徒職を生きていく、という事を神父様は考えておられたとのことです。
 
このことについては、クアラルンプールカトリック日本人コミュニティとしても、
全く同感です。
KLでも、次々に現れる神さまを求める方に、限られた司祭・人材・物・時間の中で、私たちカトリックが信徒としてどうあるのか?という問いは、日々私たちが抱えている課題でもあります。
パンフレットが整然と並ぶオフィス
イメージ 4
 
 
2010年8月に帰天された西本神父様ですが、ネームプレートが今も棚の上に
イメージ 5
 
 
西本神父様は、もともとカナダで神学生として過ごされ、レデンプトール会の司祭になられたのち、1970年代にフィリピンにいらしたとのことです。
その後たくさんの方との出会い、そしてさまざまな出来事もあり、色々な経緯を経て、現在の事務所があるこの場所に落ち着いたそうです。
 
80年代に入ってf.m.m.のシスターや、学校に行かずにいる子供たちを見て関心を持った日本人大学生など、ひょんなつながりからフィリピンの子供たちのための奨学金活動が始まりました。
これがサラマッポ会です。サラマッポとは、タガログ語で "ありがとう" という意味です。
イメージ 6
 
 
この活動の窓口は、ただ日本人が貧しいフィリピンの子供たちに学費を支援するだけ、といったことにとどまりません。顔の見える1対1方式のこの奨学金プログラムは、支援をする側にも大きな恵みをもたらします。
 
手紙のやり取りなど関わりを通じて触れる、フィリピン人たちの喜び、どんなに貧しくとも心に喜びを忘れない彼らの信仰、その考え方が支援する日本人に伝わっていきます。
学費を支援している日本人は、子供たち学生たちを通して彼らの喜び、信仰、そしてその元となる神さまの愛を見る機会に恵まれます。
 
このことこそ、このPEPオフィスの理念である Pre-Evangelization なのです。
 
サラマッポ会は、33年にもわたる活動の実りを見た後、2015年に閉会しましたが、その他いくつかの奨学金のマッチング活動や、双方でやり取りする手紙の翻訳など、窓口としての活動が現在のこの事務所の主な活動となり、現在も続けられています。
 
イメージ 7
 
現在も年間250名ほどが奨学金を受けています。
イメージ 8
 
 
今回、マニラのカトリック事務所、カトリック日本人の代表の方とつながりができ、交流が始まったことに感謝です。
 
その国々によって事情は少しずつ違いますが、信仰において、またイエスの弟子として1つである私たちの軸足の置き方、イエスの弟子としてどうあるか、大変よい分かち合いになりました。
 
戦争の記憶が深く残る70年代当時までは、まだ対日感情は決して良いと言えなかったフィリピンの方々ですが、現在はどこに行っても大変友好的で、日本に興味を持ってくれて嬉しくなります。
こうしたPEPオフィスでのスカラーとスポンサーとの関わり、1対1の関わりの積み重ねが、今日の日比両国の友好な関係の一端にもなったのでしょう。
 
オフィスのマークは、十字架の中に、帰ってきた放蕩息子を抱く父なる神さまの姿
イメージ 3
 
 
ここで長く働いていらっしゃる日本人のMさんは、ここで仕事を続けるように神さまに言われている限りは、喜んで働くと笑顔で語ってくれました。
たくさんの素晴らしいお話しと、分かち合いをありがとうございました。
 
こうして多くの実りがあったPEPオフィスの歴史ですが、やはり
"わたしにつながっている者は豊かに実を結ぶ" という、イエスさまの言葉そのものと感じました。
 
西本神父さま、私たちがいつもイエスさまにつながっていられるように、これからも祈ってください。
イメージ 9
 
 クアラルンプール (KL) カトリック日本人コミュニティ