クアラルンプールカトリック日本人コミュニティ

クアラルンプールカトリック日本人コミュニティ

KL Japanese Catholic Community official site

Soup Kitchen (スープキッチン) でのボランティア(後編)

セントジョン・カトリック教会の「Car'ls Kitchen」
「Soup Kitchen(スープキッチン)」3
 
ボランティアお手伝いについて。(最終篇)


11時15分頃「ご飯盛り」が始まります。
当然、美味しい米は望めません。ポロポロ飯です。
それでも、感謝のはずです。
 
 
イメージ 1
 









最初に席に着く前に、自分の名前を来訪記録のノートに記入し、
すぐ、ドリンクをコップで受け取ります。
「ミロ」だったり、「ミルク入り紅茶」だったり。
 
 
 
 
 
 
 
ある時は、あるレストランのオーナーの好意でしたが、自分の店で
調理した料理をタッパに入れて、無償提供してくれる事もありました
 
通常120人から多くて160人位の人数分です。ありがとうございます
このオーナーご夫婦は、あるゴルフ場のレストランオーナーです。知っているシェフですが、今まで数回ほど私の車で取りに
行きました。
 
 

 
 
 
普通はリンゴ1個など付かないんですが、この時は、皆も
「ありがとう」=「テレマカセ」だったと思います。
 
 
 
野菜は、メンバーとその日の安い材料を選ぶので、
いつも同じじゃない。
私達は、当日まず最初にコンドの入り口で合流して、この私の車に
乗って、5人で近くの大きな市場かスーパーに安い野菜を求めに、
買いに行きます。それから教会に向かう。
 
 
 
チキンのマレーシア風煮込みはここの定番です。
味の素なんて使いません。
主に、塩と、オイスターソースが、味の決めてに。
 
 
 
調理中にたまにボンベのガスが無くなるんです。
火が弱くなると野菜はベチャベチャ気味になっちまう。
少しでも美味しく食べさせてあげたい・・から「火の用心」。
 
何だかんだ言いながら、味には気を使う。
歯が悪かったり、歯が無い人も多いので、野菜は柔らかく、
でもその兼ね合いが難しい。
 
 
 
しかし、悲しいかな、人間というものは、悪魔も潜んでいます。
 
犯人は未だに分からないけど、ここには数回泥棒が入りました。
鍋や釜をはじめ、特に食料をかなり盗まれました。
 
こちらの日毎の活動の気持ちからすると、大変悲しいものが
あります。悲しいから、疑う事はしないけど、それでもめげず
場所と食糧の配給を継続しているセントジョンカトリック教会
にはホントに感謝です。その後、いろいろ防犯対策。
 
 
 
過去においてのやり方は、最初にライスだけを盛ります。
 
 
 
順番に並んでもらって、私達が、そのご飯皿にチキンと野菜を
盛り付けて、1人1人に受け取らせるという方法でしたが、
 
 
 
今では、盛り合わせたものを手渡すという方法になりました。
 
 
 
正午12時ちょうどの教会の鐘の音と共に、彼等の中から2人
感謝のお祈りがあります。そして、今日の配膳担当
ボランティアさんへ・・彼等から我々への拍手をもらいます。
 
イメージ 4
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今ではこのように、順番に皿をもらいます。
試行錯誤の結果でもあり、女性、年寄り、身障者の人へは、
優先で手渡します。
 
 
イメージ 3
 
 
 
 








過去のちょっとした事件を思い出しました。
私と隣のボランティア男性とでチキン煮を盛っていた。
あるホームレスが、チキンをもう1個くれと言った。
 
隣のリーダーの彼は、普通の口調で「皆、平等に1個ずつです」
と言ったら、皿を受け取ったホームレスが、突然、急に汁の
入ったご飯の皿を彼の顔に向けて投げつけたのです。
 
 
シャツは汚れ、顔にも汁がかかった。
隣で給餌していたこの自分にも顔に少しかかってきた。
びっくりした。

彼は、一瞬、顔を曇らせたが、怒らず平静を保ち、対応した。
偉いなぁと思った。短気な自分だったらどうだったのだろうか?
レストランで、あまりに遅いと、怒って文句を言い、2度と来ないぞ
の短気者ですから。
 
しかし知らない彼だったが、彼はもうその後、ボランティアには
来なくなってしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ここは「Car'ls Kitchen」と言い、セントジョンカトリック教会が
管理運営し、その昔カールスという方が始めました。

<<Objectives : 目的 >>
1、Reach out to the unfortunate 
  不幸な方達に手を差し伸べる。

2、Enhance community spirit
  コミュニティの精神を高めます。 
 
3、Appreciate all levels of life
  それぞれの人生のすべての出来事に感謝。
 
 
4、Community engagement and interaction
  コミュニティの関与との相互作用

私達日本人カトリックフェローメンバーだけじゃなく、ある時
ドイツからのホームステイの方達とか、マレーシアの学生とか
たまにトドゥン被ったムスリムの方達も、ヘルプにくることが
あります。

日本人の現地における6年間、何も考えずに、ただ、お手伝いを
やってきました。・・
 
 
人種や宗教を越えています。
差別はアリマセン。異国の地にて、少なからず、小さな力では
あるけれど、協力出来ることに参加できることに、「神様に感謝」
以外ないでしょうと思います。
 
KL日本人カトリックコミュニティ、に有難うございます。
 
 
 
前回にも、このカールズキッチンの動画を添付しましたが、
ビデオの中での、コーディネーターのアルビンさんは知る限りでは
4代目かな。若くてバリバリやってます。
彼の前任も数人いたはずです。
 
面白いことに彼等は皆声が「高く」「大きい」のです。
先頭的、指導的じゃないと務まりません。
何故かというとホームレスの中には、文句を言ったり、
勝手な行動をとる人もいるからです。

そりゃ150人もいれば、そしてお腹が空いているから
そうなりますよね。敢えて、ここで統制を取る必要があるのです。
ある時は「あなたは、もう来なくていい」とまで言ったことが
あります。
インタビューの中で感じるものがあります。

特に印象に残るのは「お祈り」なんです。お祈りの時間、最初に
ムスリムのお祈りをしてます。
コーディネーターがその日にホームレスを選んでランダムに
指名するみたいです。だからいろんな言語が出てくる。

 時に中国語もマレー語も出ますから、やはりここも
グローバルなんですね。宗教、民族、階級、無し。みな同じ立場。
 
イメージ 2




 
 
 
食事前のカトリックとムスリム
合同の祈りのひととき

 


カトリックの方達は、その間じっとして共に祈っています。
でその後に、続けてアルビンさんが、父と子と聖霊に感謝のお祈り
をする。私たちはキリスト者なので、そこで十字も切り祈りますが
その間ムスリム(や他宗教の方)も共に祈っています。
 
キリストの前では同じですよね。無宗教も当然います。
時にここで余計な声を出したりすると、彼は、怒ります。
このような場所では誰であろうが「今は心を一つにする」という事が大事なのでしょう。
 
供食しているこちら側の祈りを押し付けず、先方の宗教を尊重して
先に祈らせて、その後に私たちが祈る。共に祈る。
 
宗教の違いはあるが一緒に祈るところは、マレーシアならでは、
カトリックならではの素晴らしいところだと思いました。
 
そうなのです!「平和」が実現している場所だと思いました。